漆は古の時代には接着剤としても使われ、現代においても破損した陶器の修理に漆を使う技法も残っています。
また北海道の遺跡より9,000年前の縄文時代に漆で塗られた副葬品が発掘されています。
漆の木が分布するアジアの地において防腐剤、防水塗料として広く使用されてきました。
日本においては日常使いの漆器として、装飾品としての漆器として、人々の生活において古代より重要な位置を占めてきました。
現代は海外においても陶器は”China”, 木の器=漆器は”Japan”という呼称で広く知られています。

侘び寂び

古語である侘びの動詞形はわぶで、気落ちする、心細く思う、落ちぶれるなどのという意味があります。
ですが時を経て、茶の湯の流行と結びつき、その落ちぶれたり、不足してる美を楽しもうという意味に変わっていきました。
寂び、の動詞形はさぶで、荒れた気持ちになる、(光や色が)弱くなる、錆などの意味です。
内面から外部へと滲み出てくる錆。この古びた様子に美を見出す、全てを受け入れる感覚の表れや、古い枯れたものから感じられる趣きが後年になり、茶の湯や俳諧で侘びと寂びが日本の美意識として認識されて行ったのです。

お手入れ方

漆器は湿気を好みますので毎日のように使ってください。しまい込むと逆に乾燥させる原因になります。
熱湯や油にも強く、使い込むほど艶が増していきます。
洗浄は一般的な柔らかいスポンジと家庭用中性洗剤でごく普通に洗ってください。また食洗機でのご使用はお避けください。
より長持ちさせるには、最後に柔らかい布で優しく拭きあげてあげると漆器も喜んでくれます。

抗菌作用

2001年には食品環境を調査する会社による実験で、漆器に置いた人体に有害な菌が24時間後には無菌化したという結果が出ており、漆が抗菌作用を持つことが科学的にも証明されました。昔の人々はそれを知っていたため、おせち料理を漆の重箱に入れていたのでしょう。