作品について

”漆の器を日々の食卓に”という思いから作られる川添日記の漆器は一本の木を刳り抜き、生漆を 5,6回塗り込んでいるため、大変頑丈で毎日の漆食器としてお使いいただけます。

漆器の手に取った時の温かさと軽さ、口当たりのよさは陶器やガラスの食器とは違った使いやすさがあります。

また漆には接着性能があり、欠けや割れにも対応した修理ができるため代々受け継ぎ、家族の思い出を刻むことのできる器です。

川添日記が”草木彫り”と名付けた漆器には、彼女自身の思いが宿っています。

幼少時から水彩画に親しみ、油彩画もずっと描いてきた日記にとって、四季折々の花や野草をモチーフとして描くようになったのはごく自然な成り行きでした。漆は日記が40年の歳月をかけた試行錯誤や研究の結果の仕上がりで、趣に溢れています。その緻密な、時に武骨な彫りと鮮やかな色使いで器を手にした時、その人から思わず笑顔が溢れるような器でありたいという想いです。